日々診療

海岸添いの散歩にご用心

先日、犬がけいれんをしていると急患が運ばれてきました。

 

呼吸が苦しそうで、今にも死にそうな感じです。

 

検査では特に異常なく、何らかの中毒を疑いましたが飼い主には心当たりがないとのこと。

 

とにかく胃洗浄を行ってみたところ、ドッグフード以外に一部内蔵のようなものと青肌の皮のようなものが見つかりました。

 

そのイヌが海岸沿いで飼育されていたため、フグによるテトロドトキシン中毒を疑いました。

 

よく海岸沿いで釣りをしている人が、小さなフグを釣り上げた際そのまま岸に捨ててしまってる光景をよく目にするのですが、どうもそれを犬が食べてしまったようです。

 

テトロドトキシン中毒は重症になると呼吸抑制をおこします。

 

特効薬はないので支持療法で回復を待つしかありません。

 

そのイヌは数度の心停止と呼吸停止を起こしましたが、4時間の人工呼吸の後自発呼吸を取り戻し、翌日元気に帰っていきました。

 

釣り人にはこういうことが起こりうると気にかけてもらいたいのですが、お散歩の際は飼い主様もご注意ください。

 

 

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